「コムローイに行く」と決めたものの、私自身、まずは「コムローイって何?」というところからのスタートです。この記事では、旅行の準備をしながら調べた、名前の違いや文化的な意味を整理します。
最初に押さえたいのは、コムローイとは空に浮かべる灯ろうの名前で、イーペンはタイ北部の伝統行事だということです。水に灯ろうを流すロイクラトンも、あわせて知っておくと情報を読み分けやすくなります。
コムローイは、お祭りの名前?
コムローイは、火で温めた空気の力で空へ浮かぶ灯ろうを指します。「コムローイ祭り」という旅行情報を見るときも、まずは空へ上げる灯ろうのことだと考えるとわかりやすいです。
ただし、タイ北部では昼に上げるものと夜に火をともして上げるもので、昔からの呼び方が異なります。この記事では、旅行で見に行く夜の灯ろうを中心に「コムローイ」と表記します。チェンマイ大学の言葉と文化の解説
言葉としては、「コム」は明かりをともす道具のことです。チェンマイ大学の解説では、タイ語の辞書でコムローイ(โคมลอย)は火をともして空へ浮かべる道具とされ、タイ北部ではもう少し広い意味でも使われると紹介されています。チェンマイ大学の言葉と文化の解説(2026年9月26日確認)
イーペン・ロイクラトンとは何が違うの?

三つの名前は、すべてがお祭りの名前というわけではありません。灯ろうそのものと、灯ろうを使う行事を分けると整理しやすくなります。ラーンナー文化とは、チェンマイなどタイ北部に受け継がれてきた文化です。
| 名前 | 何を指すか |
|---|---|
| コムローイ | 空へ浮かべる灯ろう |
| イーペン | タイ北部のラーンナー文化に伝わる祭り。灯りの飾りやお寺での行事も含む |
| ロイクラトン | 水に灯ろうを流し、水の恵みへの感謝などを表す行事 |
チェンマイでは、イーペンとロイクラトンが重なる時期に行われ、観光案内で一緒に紹介されることもあります。名前の意味は違いますが、無関係に行われる別々のお祭りというわけではありません。この重なりを知っておくと、旅行情報の中で二つの名前が並んでいても、混同せずに読み進められます。チェンマイ大学図書館のイーペン解説、タイ国政府観光庁のロイクラトン案内
いつのお祭り?毎年同じ日ではないの?
時期の目安は秋です。タイ国政府観光庁は、イーペンと重なるロイクラトンについて、旧暦12月の満月、現在のカレンダーでは10月または11月と案内しています。旅行を計画するときは、過去の記事の月日をそのまま使わず、参加する年の日付を公式案内で確認します。タイ国政府観光庁の開催時期の説明
たとえば2026年は、ロイヤルチェンマイゴルフ場会場の日本語案内に「2026年11月 24日, 25日」と掲載されています(2026年9月26日確認)。参加する会場の日程は、その会場の案内で確かめます。有料会場でよく名前が挙がる3会場(CAD・ロイヤル・メージョー)の違いはコムローイの会場比較にまとめています。ロイヤル会場の日本語案内
イーペンは月の満ち欠けをもとにした暦に関わる行事なので、日本で普段使うカレンダーでは毎年同じ日にはなりません。この点が、名前と日付を混同しやすい理由の一つになっています。
名前の「イー」はラーンナーの暦の2番目の月、「ペン」は満月を意味します。この月はタイ中部の暦の12番目の月に対応しており、「2番目の月」といっても、日本のカレンダーの2月ではありません。名前の由来と実際の開催時期がずれて見えるのは、こうした暦のしくみによるものです。チェンマイ大学図書館の解説
旅行の日を決めるときは、伝統行事の基準となる日だけでなく、自分が参加するイベントの開催日を見比べます。予約する画面では、年・会場名・参加日をセットで読む、ということです。
どんな文化や信仰と結びついているの?

空へ灯ろうを上げることには、信仰の対象へ敬意を表したり、災いや罪を手放したりする意味が重ねられてきました。チェンマイ大学の文化解説は、仏教など複数の信仰と結びつく意味を紹介しています。「願いをかなえるため」だけで説明しきれるものではない、と理解すると背景が見えてきます。チェンマイ大学の文化解説
チェンマイ大学図書館の解説には、家や道を灯りで飾ることや、お寺で仏教の教えを聞くことが紹介されています。イーペンは、空に灯ろうを上げる場面だけでなく、こうした暮らしや信仰と結びついた行事です。チェンマイ大学図書館の解説
タイ国政府観光庁は、ロイクラトンで水に灯ろうを流す意味として、川の女神への感謝を紹介しています。タイ国政府観光庁の解説
空に灯ろうを上げる以外には、何をするの?

チェンマイのイーペンには、家やお寺に灯りを飾ること、伝統衣装でのパレード、地域の祝いなどもあります。タイ国政府観光庁の紹介では、空への灯ろう上げと、こうした街の催しがあわせて説明されています。タイ国政府観光庁のイーペン紹介
街やお寺の灯りを見に行くのも、専用会場でランタンを上げるイベントに参加するのも、祭りの楽しみ方の一つです。どんな場面を見たいかを考えると、旅行の予定も立てやすくなります。
ただ、文化として行われてきたことと、旅行者が自由に灯ろうを上げられることは、また別の話です。観光庁の2024年の説明にも、上げる場所や時間についての指針があると記されています。実際に参加するときは、その年の行政と主催者の案内を確かめます。タイ国政府観光庁の場所・時間に関する説明
「ラプンツェルのモデルになった場所」って本当?
今回確認した資料からは、チェンマイの特定会場が映画『塔の上のラプンツェル』のモデルだとは確認できませんでした。「映画を思わせる景色」と「制作のヒントになった場所」は、分けて考える必要があります。
2010年のインタビューでは、監督のバイロン・ハワード氏が、映画のランタンの場面についてインドネシアの灯ろうの儀式から着想を得たと話しています。この発言だけで、ほかの影響が一切なかったとまでは言えませんが、チェンマイの特定会場がモデルだという根拠にはなりません。旅行先を選ぶ理由として使うのであれば、この留保を踏まえておく必要があります。監督インタビュー/BroadwayWorld
チェンマイ以外にも、灯ろうを使う行事はある?
水に灯ろうを流すロイクラトンは、チェンマイ以外でも行われます。タイ国政府観光庁は、バンコク、スコータイ、タークなど、それぞれの地域の催しを紹介しています。各地のロイクラトン案内
空の灯ろうについても、チェンマイ大学の2019年の文化解説には、タイのほかの地域で上げる風習が紹介されています。チェンマイ大学の文化解説
同じ「灯ろうの祭り」でも、地域によって見られるものは違います。旅先を探すときは、空へ上げる行事なのか、水に流す行事なのかを見て、行き先を絞り込みます。

まとめ|コムローイの意味と、祭りの違い
まずは「コムローイは空の灯ろう」「イーペンはタイ北部の伝統行事」「ロイクラトンは水の灯ろう流し」と覚えておくと、名前を見ても迷いにくくなります。
イーペンには空への灯ろう上げだけでなく、家やお寺の灯り、地域の催しもあります。次に見るべきは、自分が参加したいイベントの公式案内で、そこに載っている年・会場・開催日が、旅行の予定に反映すべき情報です。

